病態の説明8
「高γGlb血症の疑い」の例
☆病態の基本
判定条件
血清総蛋白量はそれほど増加しない
アルブミン分画、
α
1
グロブリン分画、
α
2
グロブリン分画、およびβグロブリン分画に変化がみられない
γグロブリン分画だけが増加
病態
多数の異なったクローンの増生による免疫グロブリンの増加によると考えられるγグロブリン分画の増加がみられますが、慢性炎症の時のように
α
1
グロブリン分画、
α
2
グロブリン分画の増加がみられないものをいいます。
☆病態検出後の対応(次に行う検査など)
炎症マーカー(CRP、赤沈など)、腫瘍マーカー、免疫グロブリン定量、免疫電気泳動法、白血球数、末梢血液像、GOT、GPTなどの検査を行い
γグロブリン分画の増加の原因をつかんで下さい
。
場合によっては骨髄像の検査も行って下さい。
☆「高γGlb血症の疑い」に含まれる病名
概 要
本態性高γグロブリン血症、免疫芽球性リンパ節症、その他の慢性炎症のパターンを呈する疾息(非典型例)などが含まれます。
病 名
本態性高γグロブリン血症、免疫芽球性リンパ節症、慢性感染症の一部、自己免疫性疾患の一部、悪性腫瘍の一部、など
※櫻林郁之介監修:病態解析システム活用マニュアル.常光.より抜粋
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