病態の説明7
「慢性炎症の疑い」の例
☆病態の基本
判定条件
アルブミン分画の減少
α
1
グロブリン分画の増加
α
2
グロブリン分画の増加
γグロブリン分画の増加
病態
急性炎症の急性相反応物質(acute phase reactants、
α
1
−ATやHpなど)の増加に加え、免疫グロブリンのIgGあるいはIgAの増加によるγグロブリン分画の増加が考えられます。
☆病態検出後の対応(次に行う検査など)
CRP、血沈、シアル酸、白血球数、末梢血液像、免疫グロブリン定量、免疫電気泳動法などの検査をして下さい。
感染症が疑われる場合は局所材料の細菌培養検査や抗体価測定、悪性腫瘍が疑われる場合は腫瘍マーカー検査、また自己免疫疾患が疑われる場合は抗DNA抗体、抗ENA抗体、RAテストなど、臨床症状を加味しながらターゲットを絞って検査を行って下さい。
超音波、CTなどの画像診断検査が必要な場合もあります。
☆「慢性炎症の疑い」に含まれる病名
概 要
慢性感染症、自己免疫性疾患、悪性腫瘍、膠原病などが含まれます。
病 名
慢性感染症
急性感染症の慢性化、肺結核、肝膿瘍、など
自巳免疫性疾患
SLE、慢性関節リウマチ(RA)、Sjogren症候群、など
悪性腫瘍
急性心筋梗塞、肺癌、膵癌、急性骨髄性白血病、食道癌、肝細胞癌、悪性リンパ腫、癌性腹膜炎、多発性肝転移、など
※櫻林郁之介監修:病態解析システム活用マニュアル.常光.より抜粋
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