病態の説明6
「炎症の疑い」の例
☆病態の基本
判定条件
アルブミン分画の減少
α
1
グロブリン分画の増加
α
2
グロブリン分画の増加
γグロブリン分画が増加しない
急性炎症が2週間以上持続し、γグロブリン分画が増加してくると、慢性炎症として判定される場合もある
病態
α
1
‐アンチトリプシン(
α
1
−AT)の増加による
α
1
グロブリン分画の増加、ハプトグロビン(Hp)、
α
2
−マクログロブリンの増加による
α
2
グロブリン分画の増加などの急性相反応物質(acute phase reactants)の増加がみられ、(急性)炎症の疑いがあります。
☆病態検出後の対応(次に行う検査など)
CRP、血沈、白血球数、末梢血液像、シアル酸などの検査をして下さい。
細菌培養検査、心電図、腫瘍マーカー検査、血液凝固、線溶系検査も必要に応じて行って下さい。
☆「炎症の疑い」に含まれる病名
概 要
急性感染症(急性肺炎、感冒など特に細菌感染)、心筋梗塞、血栓症、悪性腫瘍、外傷、ショックなどが含まれます。
病 名
急性感染症:特に細菌感染による急性肺炎、感冒、胆のう炎、DlC 、感染症以外の炎症:急性心筋梗塞、肺痛、膵癌、急性骨髄性白血病、食道癌、肝細胞癌、悪性リンパ腫、癌性腹膜炎、多発性肝転移、交通外傷、など
※櫻林郁之介監修:病態解析システム活用マニュアル.常光.より抜粋
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