病態の説明4
「肝障害の疑い」の例
☆病態の基本
判定条件
アルブミン分画の減少
α
2
グロブリン分画の減少
α
1
グロブリン分画/
α
2
グロブリン分画比の変化
慢性で経過した場合にはこの変化にγグロブリン分画の増加を伴う。
β‐γ bridging(あるいはβ‐γ linking)が検出されない
※検出された場合は、肝硬変と判定する
病態
α
2
グロブリン分画の減少は、主にハプトグロビン(Hp)の著減ないしは消失によるものです。
☆病態検出後の対応(次に行う検査など)
GOT(AST)、GPT(ALT)、γ‐GTP、ALPの検査値を確認して下さい。
これ等の値が正常でも念のためHCVやHBVなどの肝炎ウイルス関連の検査も行うことを勧めます。
ハプトグロビン(Hp)の低下による「肝障害の疑い」もありますので、上記の検査に異常がみられない場合、溶血性貧血や先天性Hp欠損症(無症状)も考慮して下さい。
☆「肝障害の疑い」に含まれる病名
概 要
急性肝炎恢復期、各種慢性肝炎、その他の慢性肝障害、肝硬変や肝癌の一部が含まれます。特にC型肝炎に対する注意が必要です。なお典型的な肝硬変は含まれません。
ハプトグロビン(Hp)の低下による「肝障害の疑い」もありえます。
病 名
急性肝炎、慢性肝炎(含むB型、C型)、自己免疫性肝炎、肝硬変、肝細胞癌、肝不全、多発性肝転移、肝内胆管結右、膵頭部癌、DlC
※櫻林郁之介監修:病態解析システム活用マニュアル.常光.より抜粋
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