病態の説明12
「低γGlb状態の疑い」の例
☆病態の基本
判定条件
血清総蛋白量の減少
γグロブリン分画の激減
γグロブリン分画のピークの低下
病態
免疫グロブリンのIgG、IgA、IgMのうちの1つあるいはいくつかが同時に低下したためと考えられ、体液性免疫不全状態が疑われます。
☆病態検出後の対応(次に行う検査など)
免疫グロブリン定量(IgG、IgA、IgMなど)
免疫電気泳動による確認
尿(濃縮)の蛋白分画、免疫電気泳動法
免疫不全が確実になった場合はリンパ球数、リンパ球機能検査等を行う必要があります。
☆「低γGlb状態の疑い」に含まれる病名
概 要
先天性あるいは後天性免疫不全症、多発性骨髄腫(血中にM‐蛋白が検出されない例)などでつけられます。なお、ネフローゼ症候群は原則的に除外されます。
病 名
先天性免疫不全症
Bruton型無免疫グロブリン血症、重症複合免疫不全症、ADA欠損症、Common varable immunodeficiency、胸腺腫を伴う免疫不全症、乳児一過性低γ‐グロブリン血症
続発性免疫不全症
AlDS
多発性骨髄腫など
Bence Jones型多発性骨髄腫、非分泌型多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、化学療法治療の癌、白血病など
※櫻林郁之介監修:病態解析システム活用マニュアル.常光.より抜粋
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