血清と血漿そして透析患者検体の解説
  1. フィブリノゲンが活性化されると、フィブリンに転化しゲルが形成される。
     
  2. 血清はフィブリノゲンを完全にフィブリンに転化し、血球成分とともに除去したものである。一方、血漿はヘパリンなどの抗凝固剤を用いてフィブリノゲンの活性化を阻止し、血球成分のみを除去したものである。血清と血漿の最大の違いは、フィブリノゲンが含まれているかどうかである。
     
  3. フィブリノゲンは、タンパク分画においてはβとγの間に出現し、分画値に影響するため、除去が望ましい。通常は血清を検体とすることで解決しているが、治療のためヘパリンを投与されている患者の血清は、フィブリノゲンの活性化が遅れ、いつまでもフィブリノゲンピークが現れる。また、フィブリン形成もダラダラと続くため、分析機器のトラブルを惹起することがある。


 凝固促進剤の影響に関する参考文献:
  1. 宮澤郁夫ほか:ヘパリン加血のフィブリノーゲン除去について.SP研究会資料.SP研究会,1994