| 回答 | - 1シートすべてが二峰性βとなる原因は、ブリッジング用濾紙、スポンジブロックすすぎ液等に由来するCaイオンの影響(補体成分・C3cバンドの出現)であることが確かめられています(文献1〜5)。
- 対処法としては、つぎの方法が考えられます。
- Caイオンを含まないブリッジング用濾紙を用いる(用手法、濾紙を用いる自動機の場合)(文献1、3、4)。
- 泳動槽、スポンジ台およびスポンジの洗浄にはイオン交換水や超純水など、Caイオンを含まない水を用いる(CTEシリーズの場合)(文献2)。多くはこれで改善されています。
- 泳動用緩衝液にEDTA(Caイオンキレート剤)を添加する(文献5〜7)。設備上の問題でCaイオンを含まない水を使用できない場合や、報告の都合等二峰性βが出てほしくない場合などに効果的です。ただし、EDTAは、添加量が多いとα2分画が2本に分離したり、泳動像が変わったりします(文献5、8)。添加しないですめばそれに越したことはありません。
- 特定の検体のみが二峰性となるのは、補体高値、フィブリノゲンピーク、M蛋白が考えられます。他の検査所見や採血方法、輸液など治療内容を確認し、最終的には免疫電気泳動で鑑別してください。
参考文献
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