悪性腫瘍の遺伝子診断
Southern法: | DNA 増幅の検出 |
N-myc | 神経芽細胞腫 |
c-myc | Burkittリンパ腫 |
c-erbB2 | 乳癌 |
DNA 構造異常の検出 |
c-myc | Burkittリンパ腫 |
Bcl-2 | 濾胞性リンパ腫 |
c-abl | CML |
PCR法: | 腫瘍特異的な組換え部位を増幅することで残存腫瘍の検出 |
H-ras,K-ras
点突然変異 | 肺癌、大腸癌、等 |
N-ras | MDS,AML |
c-abl-bcr融合mRNA | CML |
PCR−SSCP法: | 癌抑制遺伝子の点突然変異を検索する |
Rb | 網膜芽細胞腫 |
Wt | Wilms tumor |
P53 | ヒト腫瘍全般 |
NF-1 | 神経線維肉腫、横紋筋肉腫 |
APC | 家族性ポリポージス |
| 遺伝子組み換えや増幅や突然変異が特定の悪性腫瘍に数多く報告されています。組み換えと増幅は前述した通りサザンブロットで検出できます。臨床の現場で上手に利用されています。また本日は詳しくはお話ししませんが突然変異はPCRによって検出されます。これはサザンブロットが5-10μgのDNAを必要とするのに対し1ng以下のDNAで検査可能です。rasやp53 の突然変異の検出に強力に利用されています。またCMLの際、転座により生じた融合geneからできるc-abl-bcr融合mRNAの検出もできます。これを利用すれば残存腫瘍の有無の検索もできます。すなわち血液をスメアを引いてみた場合には、例えば、1万個、10万個を見るのは大変かも知れませんがPCRでは、100万個の中の1個の異常細胞を検出できます。血液1cc採ってくれば白血球は10の7乗個あります。ですから100万に1個は容易に見つかり残存腫瘍検出には非常に有効に使われています。 |