第6回 教育講演「Reference Interval(基準範囲)とその実際」
検診者を対象としたときの基準範囲の設定基準(詳細)
対象症例:天理よろづ相談所病院職員検診者(40歳以上) 1993年度 327名
対象検査項目:蛋白分画(α1、α2、β、γ-globulin)
・但し、生化学的定量値albuminとglobulin(A/G比)を用いて補正した分画値(%)
・測定方法 → CTE5000、Separax-SP、ポンソーS(常光) 0.9mA、15分泳動
手順1(正規の方法):
- 以下の検診者を除いた。
何らかの病気で受診中の者、糖尿病、炎症性疾患、肝疾患、痛風例、M蛋白出現例
- 全体のヒストグラムを作成した。
- 大きくはずれた値を除き、再度全体のヒストグラムを作成し、平均値と標準偏差を算出した。
- 以下の条件で区分し、ヒストグラムを作成した。
年齢、性別、喫煙(1本/日以上)の有無、
飲酒(ビール小瓶1本or酒1合/日以上)の有無
肥満(肥満度が20%以上)の有無
高血圧(最大血圧160mmHg以上or最小血圧95mmHg以下)
- それぞれのヒストグラムを作成し、平均値と標準偏差を算出した。
そしてそれぞれの条件によるヒストグラム差を観察するとともに必要に応じて有意差の検定を行った。
手順2(異常データを有する症例を消去する方法):
- 以下の合致する者を除いた。
M蛋白、WBC>8000/μL、CRP0.3mg/dL以上
ChE<0.6冪H、TP6.6g/dL以下、Alb3.8g/dL以下
LDH>470IU、GOT32IU以上かつGPT29IU以上
- 全体のヒストグラムを作成した。
- 大きくはずれた値を除き、再度全体のヒストグラムを作成し、平均値と標準偏差を算出した。
- 全体のヒストグラムおよび男女別、年齢別のを作成し、平均値と標準偏差を算出した。
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