第4回 特別講演「ポリアクリルアミドゲル電気泳動による血清及び尿蛋白の意義」(5)


3-3 PAGの重合方法


 重合方法

 触媒重合法と光重合法がある。

触媒重合法酸化剤、還元剤を用いて重合する方法
 酸化剤(重合開始剤)過硫酸アンモニウム
 還元剤(重合促進剤)TEMED
 
光重合法光を照射することにより重合する方法
 リボフラビン(ビタミンB

 重合方法は2つあります。触媒重合法と光重合法で、通常は触媒重合法を使います。酸化剤としましては、これは重合開始剤になりますが、過硫酸アンモニウムと逮元剤そしてTEMED(重合促進剤)を使います。

 「ゲルが固まらない」という質問を多く受けますが、その原因は過硫酸アンモニウムです。10年も前から薬品棚に置いてある古い過硫酸アンモニウムでは、中々固まり難いのです。私共は少量の過硫酸アンモニウムを買って、冷蔵庫に保存して使っております。
 それからPAGを作る時には、試薬を入れたらその度に混ぜていかないと部分的に重合する事があります。ですから、よく混ぜるという事がもうひとつ大切です。

 光重合法は、リポフラビンを使って蛍光で重合いたします。触媒重合法ですと、適硫酸アンモニウムがゲル内に残り、それにより泳動パターンが乱れるという事がありまして、そのような場合には、リボフラビンの光重合を使うという事で使い分けをしております。

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