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どう読む?蛋白分画
− データ解析のひけつ −
免疫電気泳動では、M-bowが出現しまあす
免疫電気泳動は、アガロース膜で電気泳動した後、側溝に特定の免疫グロブリンのみと反応する抗血清を入れ、生じた沈降線がどんな大きさ、位置かをみる検査です。使う抗血清の種類によっては、M蛋白の種類を判定できます。
以下はケースプレゼンテーション第7回の4の症例を自家製膜で測定した結果です。Nがコントロール血清、Pが患者検体です。A-IgGというのは抗IgG血清を入れた溝で、全血清(W.H.)、IgG、IgA、IgM、κ、λという抗血清が使われています。なお、判定しやすいように沈降線を染色してあります。
W.H.は全血清に対する抗体なので、NにもPにも血清中の蛋白の沈降線がたくさん出ています。コントロール血清中の蛋白量はおおよそわかっていますから、Nと比較してPのどの沈降線が大きいか、溝に近いかを観察することで各蛋白の量を推定することができます。さらによく観察すると、Pのほうに余分な線(
赤
矢印)があることがわかります。全血清にはない蛋白のようですね。
Pを抗IgA血清と反応させると、W.H.で出現した「余分な線」と同じ場所に沈降線が出ました(
青
矢印)。抗κ血清でも「余分な線」と同じ場所に沈降線が出(
緑
矢印)、この「余分な線」がIgA-κ型M蛋白であることが確認できました。
ところで、抗κ血清のところに、ほかにはない線が出ていることがわかりますか?
黒
矢印のところです。抗IgA血清の沈降線ははっきりと長いのでそれだと勘違いしてしまいそうですが、よく観察すると抗κ血清の沈降線はひとつの半円ではなく2つの半円がくっついたものであることがわかります。よく見れば濃度も違うし、曲がり具合も違います。これはベンスジョーンズ蛋白(BJP)という、抗κ(またはλ)血清にのみ反応するM蛋白です。W.H.でも出ているのでしょうが、ほかの沈降線にまぎれて判別できません。
それでは、免疫固定法だとどうなるでしょうか。免疫固定法は、蛋白分画後の膜上で直接検体と抗血清を反応させ、生じた沈殿物を染色して判定する方法です。
この症例の免疫固定は抗IgA血清の結果しか残っていなかったので、想像で模式図を書いてみました。藍色の部分は抗IgA血清との反応同様はっきりと判別できるであろうバンド、水色の部分はうっすらと存在が確認できるかほとんど見えない程度であろうバンドです。免疫電気泳動より判別しやすいですね。
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