フィンランドのイノベーションプログラム『DEMOLA』を北海道⼤学と実施

当社はこの度、報道各社に向けニュースリリースを配信いたしました。
日経新聞にも関連記事が記載されておりますので、よろしければご確認ください。
北大と常光、フィンランド発「デモーラ」で計測技術開発|日本経済新聞
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2021年08月05日

株式会社常光
国立大学法人北海道大学

フィンランドのイノベーションプログラム『DEMOLA』を北海道大学と実施

株式会社常光(本社:東京都文京区、代表取締役社長:服部直彦、資本金:1億円、業種:医療機器製造販売・体外診断用医薬品製造販売・医療機器卸売・ナノ粉砕装置製造販売)は 2021年8月から国立大学法人北海道大学(本部:北海道札幌市、総長:寳金清博)の提供するフィンランドのイノベーションプログラム「DEMOLA」による、新事業に向けた取り組みをスタートします。

 

1. 背景

今、世界はコロナ禍や異常気象による大きな変化に見舞われています。
(株)常光(以下 常光)は、医療、ナノ技術分野事業を展開していますが、この変化をチャンスと捉え 2021年度から社長の号令の下、全社をあげ企業変革の取り組みを開始しています。 その一環として、40年間 当社コア技術の1つであるイオン選択性電極技術を基盤とする新製品が生まれていない事に注目しました。 本技術を発展、応用した新製品、新事業の創出を目的として社内・社外の力を結集し積極的に変化に対応することを狙い、DEMOLAの採用を決定しました。

 

2.DEMOLAで実施すること

DEMOLAプログラムでは、常光の持つ要素技術と、学生の新しく制約の無い視点、発想を組み合わせ、企業課題を解決し、新市場を創造できる新しいアプリケーションを見出すことを目指します。
常光が今後も利益を上げ続け、社会や社員への還元を継続していくためには、①DXによるビジネスモデルや風土の変革、②「環境」「社会」「ガバナンス」(ESG)への対応、③ユーザー目線のUX向上商品・サービスの創造が必要です。 その上で 成長市場を見出し、積極的にチャレンジしてゆきます。
また、常光は今年を「常光のSDGs元年」と位置づけ、SDGsの目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」に於いて、健康/福祉に取り残されている人々に光を当てることで、そこに新たな成長市場を創り上げることも使命と捉えています。
DEMOLAプログラムで期待するアプリケーションは次の通りです。

・成長市場参入のきっかけとなる製品・システム
・環境に関わる製品・システム
・UXを取り入れたトータルソリューションシステム
・治療方法が未確立の病気に対する検査製品・システム

目標とする成果を短期間で得るために、長年イオン選択性電極技術に携わりかつ部署間連携をとる立場にある医療機器開発責任者が本プログラムに参加し、社内への情報展開とアイディアのフィードバックを迅速に実施できる体制をとります。

 

3.本事業のねらい ~期待する効果~

(1)中期計画の改編と業績向上
今後の当社業績の柱となりえるような製品・システムの企画案を発想、具体化し、これを中期計画の売上/利益に上乗せすることを目指します。

(2)企業体質の変革
本プログラム参加者が、DEMOLAを通じて新製品企画や製品展開の新たな視点・考え方を習得し、その後の開発でも実践し続け、社内に浸透・定着させていくことで、当社はイノベーションを繰り返し起こしていけるような企業体質への変革を目指します。

 

4.お問い合わせ先

株式会社常光
医療機器診断薬事業本部 医療機器開発部
部長 二川 敬文
TEL 044-811-9211

 

国立大学法人北海道大学
産学・地域協働推進機構 産学連携推進本部
イノベーション創出部門 共創人財育成ユニット
ユニット長・副部門長(兼)産学協働マネージャー  杉村 逸郎
TEL 011-706-9485

 

 

5.イオン電極法の原理

電極法の原理はいわゆる「濃淡電池」と同じであり、電極内部に有する内部液濃度に対し、イオン選択性膜を介して接触する測定試料溶液との濃度差で発生する「電位差」を測定しています。濃度差が大きければ電位差も大きくなります。
濃度が異なる2つの校正液を事前に測定することで検量線を作成し、濃度未知の検体を測定して得られる「電位差」から「濃度」に換算します。
イオン選択性膜には、「感応物質」と呼ばれる特定のイオンサイズに合致する化合物が含まれており、この化合物の種類により、測定できるイオンが決まります。
弊社では現状5種類のイオンを対象とした電極を有していますが、測定したいイオンに対してサイズ合致など選択的に応答する感応物質ができれば、測定できるイオンも増やすことが可能です。

 

6.図表

電極法の原理概念図

 

校正液測定による検量の作成と、電位差から濃度への換算

 

(株)常光電解質分析装置