第 5 回発表・抄録番号 2、第 6 回発表・抄録番号 1、第 11 回発表・抄録番号 3

セパラックスSPによる蛋白電気泳動で正常5分画のγ分画より陰極側に出現したM蛋白様分画の検討
(支持体により易動度が異なるslow IgG‐λ型M蛋白の物理化学的特性について)



データ区分γ分画の異常
72 歳(1983年当時) 男性
診 断 名軽度の慢性肝炎、慢性気管支喘息。
泳動コメントセア膜:塗布点付近のバンド。
免疫固定法:IgG−λ型M蛋白。
免疫電気泳動(アガロース):塗布穴付近に白い沈着物を確認。
検査の流れセパラックスSPで塗布点付近のバンド(承前)
 →支持体による泳動パターンの比較(セア膜、寒天、アガロース)
 →免疫固定法
 →免疫電気泳動
 →IgGサブクラス判定
 →等電点電気泳動による等電点測定
 →質量分析およびSDS-PAGE
 →HPC添加によるセパラックス電気泳動
 →硫酸除去寒天による電気泳動
 →NaOH添加緩衝液によるセア膜電気泳動
要  約γ分画より陰極側、塗布点付近にM蛋白が出現し、IgG−λ型と判明した。さらに、通常のγグロブリンと比べ等電点が高く高塩基性を示し、pH8.6の緩衝液中では表向荷電が陽イオン性となり、電気浸透現象を持つ支持体の陰イオンと静電的引力による吸着が認められた。
学会発表第47回臨床衛生検査学会
高砂直樹ほか:支持体により移動度が異なるIgG−λ型M蛋白の物理化学的性状について(抄),医学検査 47:390,1998
症例報告高砂直樹ほか:支持体により移動度が異なるIgG−λ型M蛋白の物理化学的特性について,医学検査 48:971-975,1999


ザイモグラム



 免疫電気泳動像



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